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夏祭りのチカラ

7月11日、12日は、大阪の三大夏祭りのひとつ、いくたまさん(生國魂神社)の夏祭りの日。昨日の7月11日は、宵宮(よいみや)であった。宵宮とは、本宮の前の晩におこなわれる前夜祭のように思われているが、実は深夜に神霊が帰って来るという重要な意味をもっていた。私は夕方からいくたまさんの宵宮をのぞきにいってきた。大阪の祭りに造詣が深い天六のみんとのしまくんも来てくれた。

 

私が見た宵宮のプログラムは以下のとおり。

 

・獅子舞おねり 午後7時~

・金・銀神輿おねり 午後7時半~

・枕太鼓おねり 午後8時~

 

正門の鳥居には、夏越の大祓の茅の輪がまだ残っている。宵宮は、その茅の輪がある鳥居から本殿までのあいだの境内でおこなわれる。そんなに広くはないが、日が暮れ、提灯や屋台の明かりが灯り始めると、かなりいい雰囲気だ。

 

獅子舞おねりは、赤と緑の二頭の獅子が舞う。途中で、おかめとひょっとこの面が被った者もでてきて、二頭の獅子とコミカルにからんで楽しい。二頭の獅子は、お互いケンカしているよう。最終的には、赤が緑を制圧する。たぶんちゃんとしたストーリーがあるんだろうな。この獅子舞は、一時期途絶えていたそうだが、またこのように復活させたとのこと。

 

金・銀神輿おねりは、まず「♪コンチキコンチキコンチキチン」との囃子とともに、太鼓をのせた山車がでてくる。山車の上には、4人の子どもがのり、太鼓をたたく。そのうちかけ声は「わっしょい、わっしょい」と威勢のいい感じに。

そして、金と銀の二基の神輿が登場。神輿の前には、ひとりの男が仁王立ちになり、山車がある本殿のほうに向かい、なにやら口上を述べている。こうした儀式めいたものがあると、祭りは格段と引き締まる。その後、二つの神輿が境内をねりあるく。時々、二つの神輿が向かいあう。にらみあっているようにもみえる。さらに、勢いよくぶつかりあうようになることも。

祭りの本義として、二つの異なるものが対立したり競いあったりする二元論的なコスモロジーの存在をあげることができる。たとえば、相撲が東西に分かれて競いあったり、あるいは地域の祭りで二手に分かれて綱引きをしたりするのはその代表的な例である。この金と銀の二つの神輿のせめぎあいも、まさに同じ文脈で理解できる。先の二頭の獅子舞もしかり。私たちが祭りに夢中になるのは、こうした世界観を体感できることにもひとつある。そんなことを思いながら祭りをみた。

 

さて、宵宮のフィナーレを飾るのは、枕太鼓。これが圧巻であった。鳥肌が立った。いやー、ほんとにすごかった。

枕太鼓とはどんなものかというと、山車の前と後ろに3人ずつ若者がのっており、彼らが山車の上にある太鼓を打ち鳴らすというもの。若者が位置する前と後ろの部分には、クッションのための大きな枕状のものが取りつけられている。だから枕太鼓。「太鼓中」と書かれてある。

この山車は、他の数十人の若者によって動かされるわけであるが、その動き方がすさまじい。それほど広くない境内を猛スピードで走り回ったと思えば、本殿の前で急停止する。あるいは、若者らによって山車は左右に倒されたりもする。そんななか、太鼓を叩く6人は必至で落ちまいとしながら態勢を維持しつつ太鼓を打ち続ける。

神のイメージは、ひとによって多様であろうが、そのひとつは荒々しさ。人間の手には負えない力強さをもったものというイメージだ。時には暴走もするし、転げまわったりもする。そんな暴れん坊のイメージ。そのような荒ぶる神の姿にぴったりの枕太鼓の動きであった。

そもそも夏祭りがおこなわれる「夏」とは、疫病が流行ったり、洪水が起きたりといった、災厄が多い季節。そうした災厄は、非業の死を遂げた者の祟りによると信じられていた。そのため、夏祭りをおこない、祟り神を鎮めるということが目的であったようだ。大阪の天神祭や京都の祇園祭なども同様の系譜。

 

 

3月以降さまざまな問題が噴出した現在。こんなときこそ、夏祭りの力に期待したい。 お)

 

 

 

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