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大衆演劇を観てきました!

動物園前商店街の「オーエス劇場」で、お芝居を見てきました。
オーエス劇場は、大衆芸能の劇場で、毎月違う劇団が旅公演にきているようです。今月は「紅大介」劇団。まだ若い団長さんの率いる劇団でした。

さて、公演は2部構成になっていて、最初がお芝居。
この日は落語から題材をとった上方人情話、「幸助餅」。

あらすじは、相撲びいきで身代を潰した餅屋「大黒屋」の跡取り幸助。もう一度商売をして店を再興したいと願う幸助のもとに、妹が郭の女将とやってきて、「私が郭に身を売るので、その代金30両を元手にもう一度商売を」といいます。
先代からつきあいのある郭の女将は、「2年間は私の娘と思って店の手伝いをさせるから、その間に商売に精進しなさい、2年過ぎてもお金を返せなかったら妹を見世に出しますよ」と。妹の心と、女将の厚情に、幸助は必ずもう一度商売を成功させることを誓います。

んん? ここまでのお話、私の知ってる江戸落語の名作、「文七元結」親娘のお話とほぼ同じだ~。ということは、この、妹が体を売って工面してくれた、決してなくしてはならない30両は帰り道になくなってしまうのか?!

と思っていたら、案の定、その帰路に相撲びいきでたにまちをしていた「雷」関、江戸の大相撲に送り出したものが、大関に昇進したことを世話になった幸助に報告しようと大阪に戻ってきたところに出くわしてしまいます。

それで、幸助は「今月の大阪場所に出る」という言葉に嬉しくなって、大事な大事な30両を「祝儀じゃ」といって渡してしまうんですね。
 このお金がなければ、失った店も取り戻せない、大事な妹は郭にでることになる、と大変なことなのですが、さて、その後がどうなるかはいつか落語かお芝居でみる人もいるでしょうから伏せておきます。気になる方は調べてみてくださいね。

だいたい最後は大団円、ありえないようなハッピーエンドで終わるのがこの手のストーリーの基本なのですが、わかっていても泣けちゃうんですね、不思議なことに。今回も笑いあり涙アリの結末で、やっぱりストーリーがわかっていても泣いちゃいました。

しかし、なんというか、落語や浄瑠璃の人情話、世話物には「身代を潰す」「借金で身を売る」とお金のないこと、貧乏なことに題材をとったお話が多いですね。それだけ、江戸時代の人たちには身近な題材だったのでしょう。
「幸助餅」や「文七元結」のように、一時はお金をなくして大ピンチにおちいるものの、周りの人々からの助けや幸運が続いてハッピーエンドになるお話もあれば、近松門左衛門の「曽根崎心中」のようにお金の問題が抜き差しならぬところまでいった挙句に、心中することになる悲劇的なお話もあります。
 幸運、ハッピーエンドが人々の願望をうつした夢物語とすると、心中物は逆にそういう悲劇にはまってしまうしまうかもしれない、という恐怖がスキャンダルな事件への興味をかきたてる原動力だったのでしょうか。

 また、これらのストーリーはお金を失う理由が「アディクト」、つまりなにかに中毒的にハマることで身を持ち崩す、というのも共通しています。
 「相撲びいき(芸能人にハマる)」「賭博(ギャンブル)」「異性関係」「お酒」などなど、今の時代の私たちにとっても身につまされるお話でもあるのが、現代でも人気を保っている秘密かもしれないなぁ、と思ったり。

 今よりもずっと明日をもしれない人生を送っていた江戸時代の人々にとっては、なにかにハマることが生きる縁になっていたのかもしれません。
 釜ヶ崎でも同じような理由でお酒、ギャンブルにハマってしまったのかなぁと思う方に会うことがあります。そういった場所でこんなお芝居を見ると身に染みるなぁ、というのが今回の感想でした。

 後半は、前半とはうって変わって七色にひかる照明が舞台を飛び交う、歌あり踊りありのショーでした。
 写真は「イヨマンテの夜」。イヨマンテとはアイヌの「熊送り」の儀式のことで、北海道をイメージした昭和歌謡のタイトルのようです。現代的なディスコアレンジの「イヨマンテの夜」にあわせて、熊の毛皮のような衣装を見にまとった劇団員たちが踊りを披露してくれました。

 こういう、新しい演目の衣装デザインや振り付けってだれがするんだろう?
と不思議に思いながら、ちゃんと座長の魅力や世相に合わせた新作開発に余念がないところに、大衆劇団の人気の秘密があるのかも、と思いました。

 前半に「雷」関で、大関力士を演じた年配の俳優さんが、後半はしっとりと妖艶な芸妓に扮して踊りを披露するなど、芸の幅の広さに感心。最後の方には恒例?
のファンからお札を首にかけるシーンもあったそうです。これだけの演目2時間半見て、前売りでチケット1000円は安い!
 ココルーム近くの「オーエス劇場」はじめ、天王寺周辺には幾つか大衆劇場があるそうなので、まだいったことのない方は一度行ってみると楽しいかも。おすすめです。

こて

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